「不労所得だけで生活したい」
「利回り10%を超えるETFを聞いた事あるが怪しくない?」
本日はこういった疑問を抱える方の悩みを解消する記事を書かせていただきます。
結論を述べると、利回り10%を超えるETFは存在します。
その名も「QYLD」。
私自身も現時点(2022年5月6日)では一番保有株数が多い商品となっています。
保有している身として、体験談も踏まえてメリットとデメリットをまとめ、どんな人がどのタイミングで購入すべきかご紹介していきます。
目次
QYLDとは
ファンドの基本情報から、どのような仕組みで運用されているのか、順番に解説していきます。
基本情報
名称 | グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF |
運用会社 | GLOBAL X |
投資対象 | NASDAQ100 |
分配利回り | 約12% |
決算日 | 毎月 |
経費率 | 0.60% |
運用会社はGLOBAL X社です。
この運用会社を知らない方もいらっしゃるかと思います。
安心してください、GLOBAL X社は米国では有名な運用会社であるので健全に運用は行えます。
QYLDは毎月、配当を出しており、経費率は0.6%とインデックスファンドと比較すると割高となっております。
なんと言っても注目は、分配利回りが約12%です。
なぜこんな高利回りを生み出せるのか、この商品の仕組みについては次章でご紹介いたします。
高利回りを生み出す仕組み
次に皆様が気になる、高配当を生み出す仕組みについて解説していきます。
投資対象はナスダック100です。
「アップルやマイクロソフトなど、有名企業がたくさん入っていますね」
ここで衝撃の事実、QYLDはナスダックの値上がり益を捨てるファンドなのです。
仕組みとして、QYLDのカバード・コール・ポジションは、ナスダック100指数(NDX)の銘柄を購入(または保有)し、毎月アット・ザ・マネーの指数コール・オプションを売却することによる手数料で分配金が生み出されます。
オプションとは、ある当事者から別の当事者に販売される契約であり、買い手は、一定期間内または特定の日に合意した価格(行使価格)で株式を購入(コール)または売却(プット)する権利(義務ではない)を与えるものです。
カバードコール戦略を用いることで高い配当利回りを狙うETFになっています。
カバードコール戦略→原資産を保有しながらコールオプションで売る投資方法。
簡単に言うと、値上がり益の一部を放棄する代わりにオプション(手数料)で稼ぐというスタイルになります。
ちなみにVXNが上昇すると、プレミアム料(オプション)が高くなると言われています。
VXNとは、ナスダック100の恐怖指数です。
つまり、ボラティリティが高い時には、カバードコールのプレミアムが上昇し、配当が多くなる月もあります。
全然簡単に説明出来ていなくて申し訳ございません、、、
株価推移
ここ5年の株価推移を見ていただくと、右肩下りの現状がすぐに伝わってくるかと思います。
投資対象がQQQにも関わらず、右肩下がりが続いているのです。
それもそのはず、値上がり益を放棄する商品であるため、こういった動きとなっております。
しかし、このグラフには分配金が含まれておりません。
分配金も含めたトータルリターンは過去5年で、年率約7%です。
同じ組入である、QQQは過去5年の年率が約18.5%、S&P500に連動するSPYは年率13.5%となっており、QYLDのパフォーマンスは良いとは言い難いです。
どんな人が購入すべき
次に、どんな方が購入すべきか、QYLDのメリット、デメリットをおさらいした上で、説明します。
QYLDメリット
- 毎月分配型で10%を超える高配当
- ナスダック100を保有しているという安心感
- 値動きが小さい
QYLDデメリット
- 値上がり益は見込めない
- 経費率がやや高い
- トータルリターンはナスダック100に劣る
- 投資内容がわかりづらい
以上のようなメリット、デメリットを踏まえ、一定のインカムゲインを求める方には最適なETFとなっています。
インカムゲインは安心感を与えてくれますよね。
しかし、長期で見ると資産を増やすには、効率的な商品とは言い難いです。
そのため、オススメとしてはポートフォリオの一部(1〜20%)で保有する事をオススメします。
他の商品で値上がり益を生み出しながら、配当も貰い続ける事で安心感を持って運用出来るかと思います。
間違っても、資産の半分以上をQYLDのみで保有する事は推奨しません。
購入すべきタイミングは
個人的な価値観になってきますが、私は出来るだけ安く購入し、利回りを高める事を推奨し、値上がり益も見込めないので、高い時には購入してはいけないと考えています。
そのため、購入のチャンスとしては暴落のタイミングです。
コロナショック2020年4月には17ドル前半に2022年3月ウクライナ情勢悪化時には19ドル前半まで株価は下がっています。
こういった、暴落のタイミングで購入する事で、含み損を抱える確率を下げて、毎月分配金をもらう事が出来ます。
しかし、暴落は頻繁に起こるものではございません。
もう1つのチャンスとしては、配当権利落ち後の翌日の購入です。
高配当株は、株価が権利落ち後に一時的に大きく下がる事が多いです。
こういったタイミングで買い進めるのも、オススメのタイミングとなっております。
FIREするためのシュミレーション
実際にいくら資金があれば、QYLDの分配金だけで生活出来るか、もしくは生活資金の足しになるかシュミレーションしてみましょう。
今回は、月5万円、10万円、20万円の分配金を作るために必要な資産額について言及していきます。
分配金が税引後8.5%としてシュミレーションしていきます。
一括の場合
- 月5万円(年60万円)→706万円
- 月10万円(年120万円)→1412万円
- 月20万円(年240万円)→2824万円
上記の資金が必要となってきます。
FIREについて記載する本の多くは億単位の資金が必要と謳うものが多いですが、月20万円で生活可能な場合、QYLDで貯めるのは非現実的な数字ではございません!
しかし、今すぐにまとまってこんな大金ないよと思う方が多いと思います。
次に、積み立ての場合のシュミレーションを行います。
積立の場合の毎月積立額(再投資なし)
パターン | 3年 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 |
5万 | 19.6万 | 11.8万 | 5.9万 | 3.9万 | 2.9万 |
10万 | 39.2万 | 23.5万 | 11.8万 | 7.8万 | 5.9万 |
20万 | 78.4万 | 47.1万 | 23.5万 | 15.7万 | 11.8万 |
積立の場合の毎月積立額(再投資あり)
パターン | 3年 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 |
5万 | 17.3万 | 9.5万 | 3.8万 | 2万 | 1.1万 |
10万 | 34.6万 | 19万 | 7.5万 | 3.9万 | 2.3万 |
20万 | 69.2万 | 38万 | 15万 | 7.8万 | 4.5万 |
シュミレーションすると以上のようになります。
特に再投資込みで積み立てを行うと、現実的な数字でかなり大きい金額の分配金をもらう事が可能です。
まとめ
QYLDはNASDAQ100指数の値上がり益を諦めるかわりに毎月分配の高配当を実現しているかなり特徴的な高配当ETFだと感じています。
特徴を最後にもう一度QYLDの特徴をまとめます。
- QQQと同じNASDAQ100に投資をしている。
- 運用方法が分かりにくい。
- 毎月分配型で、配当利回り10%以上。
- 株価の値上がり益は期待できない。
- 維持費が高い。
いかがだったでしょうか。
とにかく、配当金が欲しい!
配当金だけで生活したい!
とういう方には合っているかもしれません。
しかし、トータルリターンは米国インデックス投資と比較して劣っているため、慎重に投資判断を行ってください。
今後も特徴的なETFを不定期で紹介していこうと思います。
皆様の投資判断に役立つ記事になりますと幸いです。