・戦争が起きると株価は下がるの?
・今年株価がずっと下がっているじゃん
・戦争後はV字回復するの?
以上のような悩みを抱える方へ記事をまとめました。
私自身も、これだけウクライナ情勢が激化すると思っていませんでした。
世界経済は戦争などにもリンクしており、株価が下落もすれば、エネルギー、原材料の価格が上昇するなど多大なる影響が出ています。
今回は、過去の地政学リスクという観点から、今後の株価の動きについて分析していきます。
皆様の投資行動の参考にしていただけますと幸いです。
アフガニスタン紛争
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを発端に、米国と同盟国がアフガニスタンに侵攻することで始まった紛争です。
9月10日のNYダウは9605.51でした。
同時多発テロ後に4日間相場は休場。
休場明けで相場が再開した9月17日には8920.70と684.81マイナスと下げています。
結果として、株価は約12%の下落となりましたが、開戦後1ヶ月程度で株価は戻しました。
その後、10月7日からアフガニスタンの空爆を実施しますが、株価はそれほど影響がなく、12月17日には10,000を突破しています。
同時多発テロが起きた時は、株価に影響を与えたが、すぐに戻ったという結果になっています。
イラク戦争
2003年3月〜5月にイラクに対し“大量破壊兵器保有の疑い”と“米国の査察拒否”により、フセイン政権の不信が高まり起きた戦争です。米国とイギリスがイラクの武装解除とフセイン政権打倒を目的として始まりました。
この問題が起こる前年2002年後半からは、エンロンの不正会計問題やワールドコムの粉飾決算で株価は低調に推移していました。
イラクに侵攻を開始した、3月17日のNYダウは8,141.92。
そこから4日連続でプラスに推移します。
その後、大規模戦闘終結宣言を出す5月1日には8,454.25まで上昇。
イラク侵攻中にNYダウは上昇していました。
この時は、長い間イラクと開戦するのではないかという不安が、戦争前から株価を押し下げていた部分があります。
開戦した時には材料の出尽くしという状態となっていました。
当時は他の要因として、配当や株に対する税率引き下げを行った影響も大きく、株価を押し上げたとも言われています。
クリミア侵攻
クリミア併合は、2014年3月ロシアとウクライナによる起きた騒動です。
「ウクライナ領だったところにロシアがロシア系住民の安全を守り、平和を維持するべくクリミア自治政府からの要請を受けた」という体裁をとっていますので、今回と状況は似ています。
しかし、この争いはNYダウには影響がなく、むしろ株価は緩やかに上昇した1年でした。
ロシアが侵攻してから極短期間で支配されましたので、あまり参考にならないかもしれません。
2014年は金融政策が正常化に向けた出口を探る1年であったため、戦争よりFRBの影響の方が大きかったようです。
投資格言
- 休むも相場
- 落ちるナイフは掴むな
- 頭と尻尾はくれてやれ
- 遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り
投資格言を振り返り、基本に忠実になる事も大事です。
上から順に説明していきます。
状況が不明確な時には休みましょう、無理に勝負する必要はありません。
現金保有率を上げて休むのも1つの手段だと思います。
また、戦争の際は株価はV字回復する傾向がありますが、確約されている事ではございません。
落ちるナイフは容易に掴まず、ボトムを確認してから買いに向かいましょう。
ボトムを確認後に動けばいいので、株価の天井と底を狙わず美味しい部分だけを狙えばいいのです。
誰にだって、底と天井のタイミンングなんてわかりません。
一方で、落ちる時に買い向かい大きなリターンを上げたい人もいると思います。
そういった人は少しずつ買い足していく事をお勧めします。
余剰資金は心の安定になりますので、更に下がっても購入余力が十分にある状況は必須です。
最後の格言について。
戦争では軍事衝突により被害を被る可能性が高い地域では、株価が売られやすい傾向がありますが、遠い地域での戦争は自国の経済を発展させる可能性がある事から上昇する可能性がある事を指しています。
まとめ
- 戦争開戦前は下落する傾向がある
- 米国主体ではない戦争には最終的に株価への影響は限定的
今回紹介した例を見てみると、毎回戦争のパターンやその時の世界情勢は異なるが、基本的に米国株が下落するのは一時的であり、次第に落ち着いてくる事が分析できます。
そのため、現在、今回の戦争で長期間に渡り米国株は下落していますが、私の意見としては、現金余力がある方は少しずつ買い増していく事をオススメします。
今後のマーケットの分析をします。
この先の状況はまだまだ不透明であり、ボラティリティは今後も引き続き継続するでしょう。
また、今回の戦争を受け、現在石油や天然ガスの値段が高騰しています。
しかし、上がりすぎた値段というものは時間と共に下がっていくと歴史が証明するところです。
投資妙味のある銘柄は今後も売上やEPSの伸びが期待され、潤沢なキャッシュを生み出している銘柄が硬いところになると思います。
具体的には、FB,AAPL,MSFT,TSLAあたりの銘柄だと思います。
最後に一言。
まだまだ、世界の株価の下落が続く可能性は大いにあります。
今回紹介した銘柄が必ず上がるという事はありません。
こんな状況で「買い増ししたくないよ」という方は定期積み立てを継続するだけでも十分素晴らしい事だと思います。
自分のメンタルにあった投資手法で対応していきましょう。
※早く平和な日々が戻る事を強く祈ります